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先日、「境界線」をUPいたしましたところ、それを読んでくださった遠方にお住いの友人から感想をいただきまして、話の流れでさらに彼女の体験談もうかがえました。
ご本人より許可をいただきましたので、そのお話もUPさせていただきます。

古都で学生時代を過ごされた彼女は、
当初、台所トイレ電話共用、銭湯通い、という絵に描いたような下宿に住んでいたのですが、
4回生のとき、就職活動にマイ電話が必要になりました。
山沿いの閑静な住宅街に建つ割と古い学生アパートに、フツーに暮らすうち、
春も過ぎ、暖かくなってきたある夜。

金縛りというか、明らかに誰かが身体の上に乗っかって彼女の首をしめている苦しい感覚で目が覚めました。
生まれて初めてじゃあ~! というキョーフの中、お坊さんがお経を唱えている声がはっきり聞こえます。
耳元で響くバリトンのお経………。
うわあ~~流石古都~~~と、わけわからんことが脳裏をかすめながらもキョーフ一色。
何とか身体をバタバタさせて、ふっと消えてくれた時は心底安心されたそうです。

「もう昔々の話ですが、
今まで長生きしてきて、これだけ鮮明な体験はこれ1度きりなので、未だに忘れることができません。
さまよってるお坊さんだったのかなあ……(怖)」

と、彼女は語ってくれました。


友人のお話に触発されて、ワタクシも幼少時に聞いた「古都の怪異」の体験談を思い出しました。

話してくださったのは、ワタクシが子どもの頃に通っていたピアノ教室の先生でした。

先生は古都の出身で、大正生まれのモダンガールです。
教え方はとても優しく……むしろ、とてつもなく優しく、先生が声を荒らげたりするのをワタクシは聞いたことがありません。
ナマケモノのワタクシは家での練習をサボり放題で、バイエル上下を終えるのに5年かかっていますが、
それでも辛抱強く、ワタクシが弾けるようになるのを待ってくださいました。
(ちなみにウチの親はときどきキレて、危うく薪ストーブでバイエルを燃やされそうになったこともあります。
が、ワタクシが高校2年生のときに自分からやめると言うまで通わせてくれたので、やっぱり親も辛抱強いです。
お月謝が格安だったとはいえ……。)

レッスンの記録帳には几帳面な細かい字でその日の練習曲やアドバイスが書かれ、
そこに毎回貼ってくれるご褒美シールは、先生がカッティングシートをハサミで切って作ってくれたものでした。
2センチ四方の枠におさまる小さなシールは、シルエットだけで様々なものの特徴をとらえたみごとな切り紙で、
繊細なその細工を、先生は下描きもなしに四角いシートから切り取っていくのでした。

おやつに先生のお庭で採れたトマトをいただいたとき、ガラスのお皿にフォークをそえられたくし切りのトマトの
表面の薄い皮がむかれているのを見て、ワタクシはびっくりしました。
この世にこんなに上品なトマトの食べ方が存在することを、たぶんはじめて知ったと思います。
ときおりうかがう若い頃の思い出話からも、おっとり優しいけれど自我の強さをうかがわせるお話ぶりからも、
先生がそ~~~と~~な「お嬢様」だったのだろうということは、小学生だったワタクシにも感じられました。

お父さん、お継母さん、お義姉さんとの4人家族の中で最年少だった先生の呼び名は「じょうじょ」だったそうです。
漢字をまじえると「嬢じょ」と表記するのでしょうか。
便宜上、この記事では「嬢じょさん」と呼ばせていただきます。

……ここからやっと本題「嬢じょの奇妙な体験」です。

嬢じょさんが女学生のころ住んでらしたお家は、借家ながら4人で住むには持て余すくらい広く、
古都に似つかわしい由緒正しいたたずまいの立派なお屋敷でした。
塀や門にも瓦葺きの屋根がついていて、渡り廊下でいくつかの部屋が繋がれた大きな母屋には中庭があり、

そこに小さな「離れ」が建っていました。

ある日、嬢じょさんは、普段は使っていないその離れに一人で泊まることにしました。
女学校の発表会の英語劇に出演することになり、家族の眠りを妨げずに夜遅くまで練習しようと思ったためです。

熱心に練習するうちに夜も更けてきたので、嬢じょさんは床につくことにしました。

しばらくうとうとしていると、どこからかかすかな声が聞こえてきて、嬢じょさんは目を覚ましました。
耳を澄ますと、その声が読経であることがわかりました。
布団に横たわったまま顔をもたげて辺りを見回すと、足元の方の壁際に、
数人の小坊主さんが並んで座り、一心にお経を唱える姿が見えてしまったのだそうです。

嬢じょさんは反射的に頭から布団をかぶり、耳をふさいで震えながらその夜を過ごしました。
もちろん、翌日からは離れで英語劇の練習をしようなどとは思いませんでした。

発表会も終わって、だいぶ経って、そんなできごとも忘れかけた頃、
嬢じょさんのお継母さんが、離れの片付けをしているうちに夜遅くなったので、そのまま床をとって泊まったのだそうです。

翌日、朝食の席で、お継母さんはふさいだ様子で家族に話をしました。

「昨日、離れに泊まったらおかしなものを見たの。小さなお坊さんが何人も、お経をよんでいて……」

びっくりした先生は、思わず

「嬢じょも見た!」

と叫んだそうです。

こいつはただならん……、
ということになって、お継母さんが大家さんに、自分と嬢じょさんが見たものの話をすることになりました。

お継母さんの話を黙ったまま聞き終えると、大家さんは一言だけ、

「やっぱり……」

と呟いたそうで。
お継母さんは、その瞬間、全身に水を浴びたようにざーっと鳥肌たった、とおっしゃっていたそうです。

その後、そのお屋敷から御一家が引っ越されてからの話なので、嬢じょさんにとっても伝聞ということになりますが、
そのお屋敷は取り壊されることになりました。

建物を片付け、建材を運び出し、更地にするために土を掘り返すと、離れのあったあたりから、

小さな頭蓋骨が、ゴロゴロと出てきたのだそうです。


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